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BITCOIN Vs. 法定通貨

資産の実在性と有限性についての鳥瞰図

2021年2月3日

※Disclaimer:本記事はいかなる投資勧誘・推奨も含みません。

<ビットコインの投資戦略?>

ビットコインを資産の一部として保有すべきか?

自分がやるとしたら定額積立(コスト平均)でポートフォリオの10%まで,税制上法人保有ですね。ブラックロックなどもビットコインを取り入れてきており,基本的には上目線でいいと思います。ボラがむちゃくちゃ高いのでマイナスになっても売らないことが重要だと思います。btcが仮想通貨の基軸通貨なのでその他の仮想通貨は無視でいいと思っています。個人でやると雑所得になってしまいます。売らなければ関係ないですが。

私は資産が少なすぎるのでビットコインには手を出してはいません。流動性の高い日米株であたり少しずつ買い増しでコアを持っておけば十分と考えています。なお,世界の経済成長をエンジョイするという観点で見ると日本株傾斜は人口減少もあり,危ないと考えています。もちろん良い国だとは思いますが。

昨日(2021年2月2日)も,オーストラリアの中央銀行のニュースがありましたが,各国中央銀行はインフレ率2-3%までは緩和継続で,その間通貨の価値が下がり続けます。
https://jp.reuters.com/article/rba-2feb-idJPKBN2A20C0

「インフレ目標を達成にするには賃金上昇率が現在の1.4%を「大幅に上回る」必要があると指摘した。総裁は「雇用が大幅に増加し、労働市場が引き締まった状態に戻ることが必要となる。理事会は早くても2024年までこの条件が満たされないと予想している」と述べた。」
「RBAは3年物国債利回りの目標も0.1%で据え置いた。インフレ率が目標レンジ(2-3%)内に収まるまで利上げを見送る方針も改めて表明した。」
 

FRBはもう少し慎重な言い回しですが基本的に2%を少し超えるところは許容する言い回しです。

<原資産の実在性>

全ての物事が一瞬で変わるポテンシャルを持った社会に我々はいます。完全にオワコンだなと思うものがまだ普通にあるのが現在の社会状況だと思います。そうすると,自分が保有していると思うものの実在性を,より深く考えていかなければならない時代に来ていると思います。
 

少し話は変わりますが,一例としてテスラの時価総額はまだまだ上がるかどうか,について考えてみたいと思います。

直接的には,株式の需給が価格を決定しているため,取引参加者の心理的要素を介して理解する必要があるため,なかなか複雑でわかりにくいものです。上がるかもしれないし,上がらないかもしれない。

今のところARKなどの機関投資家とロビンフッダーに代表される個人投資家が揃って持ち合って売りものが少ない状況が続いています。

ARKのキャシーさんが昨日,テスラはタクシー会社にもなると言っていたみたいですね。ストーリーが支えになり続けています。
 

両者の経済状況は,時価,すなわち「ある最新の約定金額ベースでの株式評価額を「保有」している」とされます。

そもそも株価(評価)というのは,最新の約定価格です。これまでの加重平均のような考え方を株価は採っていません。過去の約定価格はどれだけボリュームがあってももう顧みられません。

ここで,一旦需給が悪化し値が崩れてくると,保有している価値が減少します。そうすると,利確ラインの逆指値に来た,ということで,評価減によっての売り圧力が来て,もう一段下がり,それによって売り圧力が強まる。次の段階として,ロスカットラインにヒット(多分に心理的なものです)した,としてさらに売り圧力が強まります。値が付く間はいいですが,落ちるナイフは拾わない,の格言にあるように,下げのスパイラルが来くれば下げは加速します。(原資産が本質的に良いものであれば,どこかで安値で拾う人たちが出てきて止まります。)


そうすると今まであったと思う価値がスルスル失われていきます。常に最新の約定金額を時価総額のベースにして表示することからくる行動経済だと思います。だからそこで消えたように見える価値の大半は,最初からなかったので,消えていない,というべきです。
 

The big Short(マネー・ショート)という映画がありますが,サブプライムの時に証券の原資産である住宅ローン債券にジャンクボンドを相当入れてパッケージ化して,S&Pやムーディーズなどの格付け機関は,手数料欲しさあるいはルーティンワークで,最高評価を出し続けていたけど,実態,住宅オーナーの返済が遅れ始め,原資産の価値と時価の乖離が許容できなくなって暴落して,1つの原資産を多重評価していたために膨らんだバランスシートに載った価値が,1つのデフォルトを何倍にも増幅し,一気に失われて,金融システムがダウンしたみたいな話です。
 

個人的には,テスラは無理をして評価を上げているというような矛盾や悪意は感じられませんのでまだ大丈夫だと考えています。

また,イーロンマスク氏が健康であり続けるかどうかもカウントに入れなければなりません。
 

金やビットコインが,株や債権と違うところがあるとすれば利益を生まない代わりにデフォルトのリスクがないことです。

<原資産の有限性>

また,量が決まっているかどうか。マイニングが必要な金やBTCと異なり,株やお金は発行してたやすく増やせるという点があります。

これが,原資産の性質として注目すべき,有限性についての説明です。

<解決を考えない投資はない>

この潜在的な非実在性と非有限性,すなわち,多くの企業は永久には存続しない性質や切羽詰まった資金調達の必要からジャンクな証券となっていく性質から,株式の場合は,投資した資金をどうするか,どこかでは見切って売るという「解決」を考えないといけないということになります。バフェット氏みたいに絶対売れ続けるコカ・コーラみたいなところを信じきれれば別ですが(私が当時同じ立場にいたとしても,あんな砂糖水が世界中で売れ続けるのが信じきれなかったと思います)。

また,有限性に関しては,足元,膨張するマネー供給に対比し,有限であるという機能的フィクションが続くか続かないか,というところが本質だと思います。(ただ,貸した金が返ってこない!ということになると今度は債権に転化して「ある」と思ったマネーがなかったことになり,通貨の方に価値が出てくる局面が,今後来ると思います。)

ただし,ビットコインとはいえ,ハードフォークや,オルトコインのような他の投資選択肢などが出た時に,どのようにして有限性を確保し続けるかには,注意を払っておく必要があると思います。

個人的には,仮想通貨の中ではビットコイン以外は資産防衛の対象資産としての適格を認めるに至っていません。コンサバでしょうか。仮想通貨というバスケットで見た時に基軸であり続けるコインに投資することが最良だと考えています。新興国通貨で一発逆転を狙うのではなく基軸通貨のドルで資産防衛するという感覚です。ゴールドも常にそういうポジションです。

<投資環境>

まず大手の機関投資家が触りだすのはBTCです。

https://coinpost.jp/?p=216223

https://coinpost.jp/?p=189497
なお,ブラックロックは、企業の資産としてBTCの購入を続けている米ナスダック上場企業MicroStrategyの大株主です。
 

一応インカムゲインとしてはレンディングもありますね。今の需給はわかりませんが。
https://blog.liquid.com/ja/knowledge/bitcoin-lending/

上でゴールドやBTCのような原資産は収益を生み出さないと言いましたが,金利は生んでくれます。
 

チャートを見ると,ボラティリティがかなりあるので,時間分散での購入が必要になると思います。

<プラスアルファ>

有限性,マイニングが必要というところでは「飲料水」もおもしろいですね。世界の人口は増えています。いいコモディティ商品はまだないような気がしますが。